強みは? - 株式会社カワタ強みは? - 株式会社カワタ

ニーズを実現する提案力

カワタが国内外のプラスチック成形現場で欠くことのできない存在となっている最大の理由はどこにあるのか。
それは『お客様の必要とするものを着実に読みとり、問題点の解決につなげる力』だと、カワタでは考えています。
カワタで働く社員の約6割は技術系、また営業に携わるスタッフは現場を熟知するようにOJTを通して徹底的に叩き込まれます。産業界の加工現場で問題を抱えていないところはありません。どのような現場であっても多かれ少なかれ技術的な問題を抱えて、それらをその都度解決しながら効率性と品質の改善に努めています。カワタの営業マンは顧客工場へ単なる”御用聞き”として訪問するのではなく、生産現場のあらゆる問題にソリューションを提供することを使命としており、カワタの存在意義もそこにあると考えています。
顧客である製造業の方々からは、こうしたカワタの『製・販・技一体体制』が評価されて密接なお取引につながっています。

これまでの取り組み

CASE01

カワタでは昭和60年電算部門が設置されて財務会計中心の情報管理を進めていたころより、すでに営業部門は在宅勤務制を行なっており、当時新聞紙上にも紹介されました。
携帯電話が普及する前の時代、自宅にFAXを設置、ポケベルを武器に営業担当は週に一回、金曜日の営業ミーティングにて今週の結果、来週の予定を相互に確認後、それぞれの担当エリアにて翌金曜に出社するまで各自営業活動を行っていました。

見積作成は、当時高価であったワープロ専用機で社内の女性が手打ちで出力後、取引先へ郵送、営業担当の自宅へはFAXを入れておき、商談に出向いていました。営業担当がフルに時間を活用でき、自由に動ける、後は数字を挙げるだけでOK!そういった風潮が社内全般にありました。しかし、運用を続けるうちに、個人の時間管理ができない。OJTの機会が少なく、他の事例をもとに展開ができないなどの問題が顕在化しておりました。営業活動において時間の有効活用を優先するあまり、情報の活用がおろそかになった点が反省点でした。

時は平成になり、パソコンの普及が進むなかで、情報の一元化と顕在化を進める動きが社内で活発になり、営業部門が中心となって「K-MAP」情報武装化による改革が始まりました。国内40名の営業担当にパソコンを貸与、教育を行い、同一のプラットフォームによるスケジュール管理、掲示板による社内情報の掲示、電子メールによる情報交換を行い、各自で雛形をもとに見積作成が可能となりました。作成後のデータはサーバーにて一元管理できるようになり、部課長によるOJT,引継ぎ資料の引渡し等がスムーズとなって情報の見える化が実現できました。平成10年代には、IT技術の導入により、技術見積~営業見積~受注伝票への展開を図り、電子決裁による承認が可能となりました。
現在では、営業部門で発行された受注伝票が、電子データとして生産情報、実行予算情報とリンクし、モバイル通信を利用したユビキタス環境(いつでも、どこでも)にてリアルタイムの管理が可能となっています。また、ユーザー様の苦情情報も同じく電子データにて集約、分析により、製品開発に役立てております。
これらの情報は、販売会議を始め、カワタの重要な会議体にて活用しており、製・販・技が一対となってお客様の満足度向上に日々つとめております。

CASE02

カワタが継続的な成長を成し遂げてきた背景には、常に時代を先取りする新しい素材に眼を向け、その実用化をサポートしてきたことが挙げられます。顧客ニーズに密着したカワタの製販技一体体制は、長期的には「時代の新素材」を見定めることに大きく寄与しています。

たとえば1980年代に現れて一気にレコードから音声媒体の主役を奪い取ったコンパクト・ディスク(CD)普及の影にはカワタ独自のクリーンルームを利用した製造技術とノウハウがありました(ケーススタディ参照)。 
また90年代にはDVDなど高容量記憶ディスクの生産現場の開発をサポートし、現在でもDVDを始めとするディスク製品関連事業はカワタの重要な商品のひとつになっています。
さらに21世紀に入ってからは、地球環境の保護にもつながるニューエネルギーの分野で存在感を強めています。

CASE03

音楽記録媒体として誰でも知っているコンパクト・ディスク(CD)は1980年にソニーとフィリップス社が共同開発したもので、1982年から各メーカーで発売が始まりました。1980年代後半までにはあっという間にこれまでのレコードのポジションはCDに取って代わられることとなり、エジソンの「フォノグラフ」発明(1877年12月6日)以来100年以上にわたって続いた音声記録装置としてのレコードの独占支配の歴史はあまりに唐突に終りを迎えました。この歴史的変革の影にカワタの働きがあったことをどのくらいの方が知っておられるでしょうか。

CDはスタンパーと呼ばれる表面に凸凹のある原版を取り付けた射出成形機の金型に、乾燥機で最適に乾燥されたポリカーボネート樹脂を注入し成形されます。この後に凸凹表面へのアルミニウム箔の蒸着作業、定着面保護のためのコーティング作業が続くわけですが、一連の作業はきわめてデリケートなもので、そのプロセスのいかなる部分でも微細な埃(ほこり)をはじめとする異物が混入することは許されません。カワタは業界で唯一、こうした一連の作業を自社クリーンルーム工場で作業を行えるようにして、1982年にCD用樹脂乾燥システム(原料の受入・貯蔵・乾燥・輸送・金型の温度コントロール)を開発しました。このシステムはCD製作黎明期における業界のデファクト・スタンダードとなり、90%以上の国内シェアを確保しました。

一般に「ゴーキュッパ」と呼ばれる59,800円のCDプレーヤーが1985年に登場したことでCDの生産枚数は爆発的に増加し、1986年には生産枚数において従来のLP盤を逆転します。発明からわずか6年で実現してしまったこの産業界の大転換は経済学上の事件としても記憶に留められていますが、その舞台裏には高い品質と効率性を生産現場に提案し続けるカワタの技術力がありました。これこそ、カワタが産業界でどのようなポジションにあるのかを表す好例として取り上げられるべき事件であったと考えています。