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(2022年5月)

中期経営計画概要

1.2021年度中期経営計画の振り返り

1)2021年度目標数値の振り返り

2021年度は国、地域により新型コロナウイルス感染拡大の波はあるものの、ワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和等により総じて回復基調となる一方、世界的な半導体不足の影響による、受注案件の売上延期の影響を受け、売上高、営業利益は計画値を下回る結果となりました。
主に円安の影響を受けた為替差益により、営業外収支が計画値対比でプラスに転じ、経常利益と(親会社)当期純利益は計画値を上回る結果となりました。
売上高は計画値18,700百万円に対して317百万円減の18,383百万円となり、営業利益は計画値830百万円に対して70百万円減の760百万円となりました。
分野別では、フィルム・シート関連や医療関連は堅調に推移し、OA・家電・精密機器は2期前の水準まで回復しました。一方、自動車部品関連は低調に推移しました。
地域別状況は、各地域とも新型コロナウイルスの影響を受けていますが、日本は自動車関連の前年度末の受注残高が少なかったことから、売上高、利益面とも前年実績を下回る結果となりました。
東アジアは、米中貿易摩擦の長期化や中国における厳格なゼロコロナ政策による景気の下押しはあるものの、売上高、利益面とも前年実績を上回り、営業黒字に回復しました。
東南アジアは、地域により行動制限の解除に違いがありましたが、設備投資が回復基調であり、売上高、利益面とも前年実績を上回り、営業黒字に回復しました。
北中米は、中米での半導体不足による自動車関連を中心とした製造業の減産の影響がありましたが、前年実績より売上高は増加し、赤字幅は縮小しました。
後述しますが、2022年度は新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、ESG 経営の強化等に取り組み、計画値を達成すべく推進してまいります。

2)2021年度経営戦略の振り返り

(1)新規市場、成長分野における事業展開の強化
  • 前期末から引き続き新型コロナウイルス感染拡大による活動制限があり、北中米市場への展開や、情報収集、調査分析、プロモーションの強化の展開が不十分であった。
  • 活動制限が緩和された北中米において、グループ会社間での協働による市場展開を開始した。
  • 次世代電池技術や新製品開発は順調に推移し、次世代電池向けの実機納入も進んだ。
  • 成形工場における通信対応(IoT)を順次強化実施した。
  • 2021年4月中旬のチャイナプラス(深圳)に中国製の新型モデルを出展した。
  • 2021年9月下旬~10月初旬に名古屋プラスチック工業展2021へ出展し、人と環境にやさしい次世代成形ルームをテーマに従来の「運ぶ・乾かす・計る・混ぜる・調える」に「繋がる」をプラスした、新しいソリューションの提案を行った。
  • 光学部品業界では、スマートフォン用レンズ向けの他にVRレンズ向けの需要が増加した。
  • 各種成形工場内における原材料の再利用のための対応強化に取り組んだ。
  • プラスチック混合技術を活かした、地球環境に優しい新素材や複合素材への対応を進めた。
  • 油脂分除去装置の開発、販売に取り組み、各種工場の環境改善を展開した。
  • 開発関連、品質関連でのグループ間での相互指導や情報共有の強化を推進した。
(2)既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上
  • 粉砕機の新型モデルを開発し、2021年度から発売開始した。
  • 脱湿乾燥機のIoT対応機能を向上した新型モデルのラインナップを追加した。
  • スマートグラスを活用したリモートによるサービス活動を推進した。
  • グループ間での特許関連やライセンスの契約や譲渡を積極的に行い、機器や機能の向上を推進した。
  • 東南アジア向けに機器のラインアップを追加し、更なる機器の追加に向けて取組みを進めた。
(3)経営基盤の強化とESG 経営の推進
  • NEDOの助成事業(全固体リチウムイオン電池の量産化に資する技術開発)が終了し、顧客への展開の段階に入った。
  • TCFDサミットにおける「ゼロエミ・チャレンジ企業リスト」に当社が掲載された。
  • 基幹システムも含む各種システムの見直しを推進中。
  • 収益認識に関する会計基準を2022年3月期の期首から適用した。
  • 日本では働き方改革関連法案に対応した36協定に基づき、年5日の年次有給休暇の確実な取得への対応や、労働時間管理の徹底を引き続き推進した。
  • 在宅勤務、リモート会議、時短勤務についても引き続き対応中。

2.2022年度中期経営計画

(1)事業環境と基本的な考え方

  • 新型コロナウイルスの影響で2020年に大きく落ち込んだ世界のGDPは、2021年にはプラスに転じ、2022年以降も回復傾向が続く見通しであるが、今後のコロナウイルス感染状況によって、その回復スピードは国ごとに大きく異なるものと思われ、新型コロナウイルスが収束し、世界経済が完全に回復するまでは更に2年程度は要すると考えられる。
  • 半導体不足に伴う生産調整、原油価格や原材料の高騰、国際社会における中国・ロシアと西側諸国の対立も当面は継続するものと考えられる。
  • EV関連等での投資が期待される一方で、中国の実体経済の先行きには減速懸念が漂う。
  • 国内外の景気及び設備投資は不透明な状況が当面続くと思われるが、中長期的にはプラスチックは世界の人々の生活にとって欠かすことのできない素材であり、今後もさまざまな分野で需要の伸長が期待される。
  • 自動車関連、電子部品関連業界は、裾野も広く今後も伸びが期待できる業界であり、引き続き当社の主力業界として取り組む。特に、自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化等には積極的に技術や資源を投入する。
  • ウイズコロナの環境下、社会の変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きへ的確に対応する。
  • アジア諸国の生活向上に伴う汎用品の生産拡大への対応、北中米での自動車、ハイテク業界への取り組みを着実に実行する。フイルム・シート関連については、日本での需要に加えて、中国やアジア諸国での生産拡大にも対応強化していく。
  • 日本国内においては、生産年齢人口の減少やソーシャルディスタンス確保に伴い、今後も省人化投資、生産効率化投資は増加するものと思われる。また、インターネット通信や交通・建築・土木等の社会インフラ整備に伴う需要にもしっかりと対応していく。更に、グローバル展開する日系企業に対しては、日本国内のマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実績づくりを強化する。
  • 地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や自社の事業活動において、また、お客様が生産する製造物を通じて、社会へ貢献していく。プラスチック削減の動きも見られるが、当社グループは、創業以来培ってきた実績、知見やノウハウ等をベースにリーディングカンパニーとして積極的な対応を行う。特に、省エネルギー、バイオプラスチック、リサイクルの分野は当社にとってビジネスチャンスになり得ると考える。

(2)中期経営方針

~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~

①ESG経営の強化

  • 環境・社会への貢献
  • 透明性の高いガバナンス
  • 全てのステークホルダーへの配慮(株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)

②少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)

  • 人材採用、教育の為の投資
  • 省力化、省人化、システム化の為の投資
  • 研究開発、技術力向上の為の投資
  • 事業領域拡大の為の投資(M&A含む)
  • 工場等の更新、能力増強、効率化の為の投資
  • 安定的に当期利益10億円以上の確保、ROE 8%以上、DOE 2.5%以上

(2)中期経営戦略

①新規市場、成長分野における事業展開の強化

  • グループの総合力を結集し、情報収集、調査・分析、開発、プロモーションを強化
  • 自動車業界のCASE進展における新技術、新機能への対応
  • リチウムイオン電池関連の販売拡大、全固体電池関連の開発・ビジネスマッチングの推進
  • AI、IoT、5G等、世界規模の新技術や新規格への対応
  • レンズを含む光学部品業界への販売拡大(技術開発力と品質の更なる向上)
  • 地球環境に優しい新素材や複合材、リサイクル材への対応
  • 北中米における自動車、ハイテク、医療業界を中心とした販売拡大と体制づくり
  • 日本におけるマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実積づくり

②既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上

  • 地域や分野特有のニーズに対応した製品開発と販売
  • 省エネルギー、省力化機器の開発と販売拡大
  • Q.C.D.(品質・コスト・納期)の継続強化による競争力の高い製品づくり
  • グループ間における、設計、製造、販売、サービスの情報の共有化と、地域毎、会社毎のミッションの明確化と相互支援協力体制の構築
  • 提案営業力、技術力、サービス(ビフォー、アフター)力の向上による顧客満足度向上

③経営基盤の強化とESG経営の推進

  • 透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現
  • コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動
  • 研究開発、人材開発への継続的な取り組み強化
  • 業容拡大の為の戦略的投資の実施
  • ダイバーシティへの取組み強化と、優秀な人材確保
  • グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化
  • 生産・販売・サービス拠点、販売促進・技術力向上・人材育成の為の設備の見直しと再構築

(3)2022年度中期経営目標数値

売上高、利益目標(2022年5月現在)